12-10-11

「マルセル・デュシャン インタビュー02」に日本語字幕を付けてみました。

“interview with marcel duchamps 02″に日本語字幕を付けてみました。
「マルセル・デュシャン インタビュー01」はこちら

翻訳は辻憲行 (twitterID=nori_1999)
芸術係数(http://gjks.org)
元の動画はこちら

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11-30-11

マルセル・デュシャン「創造的行為」のテキスト

動画はこちら:マルセル・デュシャン「創造的行為」に日本語字幕を付けました。

1957年のアメリカ芸術家連盟の総会で、マルセル・デュシャンは「創造的行為」という講演を行いました。このブログのタイトルになっている「芸術係数」という言葉はこの講演の中で使われたデュシャンの造語です。この講演は、創造行為において鑑賞者の鑑賞行為を、アーティストの制作行為に等しい重要性を持つものとして明確に評価した画期的なものでしたが、「芸術係数」は、鑑賞者の創造行為のために用意される素材として数理的な表現で語られています。

この講演の日本語訳は、瀧口修造訳が「創造的過程」というタイトルで、『マルセル・デュシャン語録』に収められています。

芸術創造の二つの重要な極について考えてみよう。一方はアーティストであり、もう一方は作品を後代に伝える鑑賞者である。
アーティストは、時空を超えた迷宮をクリアする方法を探す媒介者のようにふるまっているように見える。アーティストを媒介者とみなすならば、彼は自らが美的次元において行っていることを自覚的に理解することはないはずである。彼の創作における全ての決断は、純粋な直観に従っているのであり、自己分析によって記述することも、念入りに考えぬかれた思考として跡づけることもできない。

T.S.エリオットは『伝統と個人の才能』で「苦悩する人間としてのアーティストと、作品を作り上げる精神の分離が完全であるほど、アーティストは完璧になる。つまり、彼の精神は、作品の素材となるその情熱をより完全に消化し変質させることができるようになるのである。」
数多くのアーティストが作品を生み出し、そのうち数千ほどが鑑賞者の話題に登り、受容される。そしてそれよりはるかに少数のものが後世に伝えられるのである。

要するに、アーティストは自らの才能を大々的に宣言するだろうが、彼の言葉が社会的に容認され、彼の名が美術史の中に書き込まれるためには、鑑賞者による評決を待たなければならないのだ。

このような声明が、媒介者としての役割を拒絶し、創造的行為における彼ら自身の自意識の有効性を主張する多くのアーティストの賛同を得られないことは当然のことであろう。しかし、美術史において作品の評価を決定するのは、アーティストによる理性的な作品の説明とは全く関係の無い考察を通じてである。

自分自身と世界に対する究極の目的を抱く人間存在としてのアーティストが、彼自身の作品の評価に関してなんの役割も果たさないのだとしたら、作品に対する鑑賞者の反応を促す現象を、どのように記述すれば良いのだろうか?言い換えれば、その反応はどのように生じるのか?

この現象は、絵の具、ピアノ、大理石などの無機物が引き起こすアーティストから鑑賞者への美的浸透における転移の現象と比較することができる。

しかし、話を進める前に、「芸術」という言葉に関する私たちの了解事項を明確にしておきたい。もちろん、それを定義することなしに。

私が考えているのは、良い作品であれ、悪い作品であれ、それなりの作品であれ、どのような形容詞をつけようとも、それを芸術と呼ぼうということだ。悪い芸術もそれが芸術であることには変わりがない、ちょうど悪い感情も感情であるのと同じように。

したがって、「芸術係数」について話すとき、私は偉大な芸術についてだけ話しているのではなく、悪いものであれ、良いものであれ、そこそこのものであれ、生の状態の芸術を作り出す主観の働きについて話しているのである。

アーティストは創造行為の中で、自分の意図から始まって、完全に主観的な反応の連鎖を通じて作品の実現へと至る。アーティストによる実現への奮闘は、一連の努力、苦しみ、満足、拒絶、決定であり、少なくとも美的な側面では、それらを完全に意識的に制御することは不可能であり、また、そうすべきでもない。

この奮闘の結果はアーティストの意図と実現された作品の違いに、つまり彼が自覚していない違いに現れる。

結果として、創造行為に伴う一連の過程では、あるつながりが失われている。作品に自分の意図を表現しようとするアーティストの不能を示すこの断層、彼が表現しようと意図したことと実現された作品との間のこの差異が、作品に含まれている個人的な「芸術係数」なのである。

言い換えるなら、個人的な「芸術係数」は、意図されながら表現されなかったものと、意図せず表現されたものとの間の数学的な関係のようなものである。

誤解を避けるために付け加えると、私たちはこの個人的な「芸術係数」は芸術の生の状態に過ぎないことを心に留めておかなければならない。それは、糖蜜から砂糖を抽出するように鑑賞者によって「精製」されなければならないのである。係数の数値は鑑賞者の作品に対する評価とは何ら関係がない。創造的行為は鑑賞者が変位の現象を経験するとき、別の様相を見せる。不活性な素材から芸術作品への変容によって、物質の実体が変化し、鑑賞者は作品の美的価値を決定する役割を担うことになるのだ。

つまるところ、創造的行為はアーティストだけで完遂されるものではないのだ。鑑賞者は作品に内在する質を翻訳し、解釈することによって、作品と外部世界とのつながりを生じさせ、そうして創造的行為に加わるのである。このことは、後世の人々が作品の最終的な評価を下したり、忘れられたアーティストを再評価したりする場合により明らかになる。

日本語訳:辻憲行

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06-09-11

芸術係数6月の勉強会のお知らせ「33歳からのマルセル・デュシャン」vol.3

1887年生まれのマルセル・デュシャンは1920年には33歳でした。この勉強会では、デュシャンが33歳になった1920年以降の活動にフォーカスしたいと思います。

デュシャンは1923年に「大ガラス」の制作を放棄し、創作活動から引退して「沈黙」したと言われていますので、勉強会ではいわゆる「デュシャンの沈黙」の期間を取り上げることにもなります。この期間のデュシャンの活動は、一般的な意味での作品制作とはとられないような活動を数多く含んでいます。1920年に立ち上がったソシエテ・アノニムはその一つです。彼のそのような活動を、アートのパラダイムが変わりつつある現在からの視点を通じて見直すことで、今まさに起きている新しいアートの取り組みを読み解くヒントになるのではないかと思っています。

第3回目はデュシャンが残した「アンフラマンス」という言葉を取り上げたいと思います。1980年に、デュシャンの死後発見されたメモ集が、彼の義理の息子であるポール・マティスの編集のもとに出版されました。1912年から1968年にわたって書かれたそのメモ集はテーマにそって4つのグループに分けられましたが、その第1部が「アンフラマンス」に関するメモです。日本語では「極薄」と訳されるこの概念は赤外線(infrarouge)が人間が知覚できない光の周波数を示しているように、のように人間の認知限界を超えた薄さということを意味しています。デュシャン自身はこの概念に関して明確な定義を残していませんが、彼の創作活動との関係を考えると非常に示唆に富んだ内容が含まれています。
また、今回は、それに加えて宇波彰氏による1983年のデュシャン論「関係性の芸術」も取り上げてみたいと思います。

ご参加のお申込みはこちらから

===
日時:2011年6月26日(日)13:30-
場所:千早地域文化創造館
参加費:一般500円/学生400円

郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線・副都心線 千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分


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04-07-11

芸術係数3月の勉強会のお知らせ「33歳からのマルセル・デュシャン」vol.2

震災のため開催を延期しておりました勉強会のご案内です。

*勉強会は以下のような内容を考えておりますが、今回は3.11以降の諸々の事柄についても少し話しあってみる機会が持てたらいいな、とも考えています。

1887年生まれのマルセル・デュシャンは1920年には33歳でした。この勉強会では、デュシャンが33歳になった1920年以降の活動にフォーカスしたいと思います。

デュシャンは1923年に「大ガラス」の制作を放棄し、創作活動から引退して「沈黙」したと言われていますので、勉強会ではいわゆる「デュシャンの沈黙」の期間を取り上げることにもなります。この期間のデュシャンの活動は、一般的な意味での作品制作とはとられないような活動を数多く含んでいます。1920年に立ち上がったソシエテ・アノニムはその一つです。彼のそのような活動を、アートのパラダイムが変わりつつある現在からの視点を通じて見直すことで、今まさに起きている新しいアートの取り組みを読み解くヒントになるのではないかと思っています。

第2回目は特にソシエテ・アノニムの活動を取り上げます。ソシエテ・アノニムは、デュシャン、キャサリン・ドライヤー、マン・レイによって1920年に設立された世界で最初のモダン・アート(つまり当時の現代美術)の美術館(デュシャンによれば「展示しても売らないギャラリー」)であり、美術品コレクションのコンサルタントであり、展覧会企画の代理店でした。現在ソシエテ・アノニムのコレクションはイェール大学アート・ギャラリーが収蔵しており、アメリカ美術のモダニズムの歴史を考察する上で非常に大きな役割を果たしています。

ご参加のお申込みはこちらから

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日時:2011年4月29日(金・祝日)13:30-
場所:千早地域文化創造館
参加費:一般500円/学生400円

郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線・副都心線 千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分


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03-09-11

「マルセル・デュシャン インタビュー01」に日本語字幕を付けてみました。

“interview with marcel duchamps 01″に日本語字幕を付けてみました。

翻訳は辻憲行 (twitterID=nori_1999)
芸術係数(http://gjks.org)
元の動画はこちら

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03-04-11

ソシエテ・アノニムの参考リンク

マルセル・デュシャンがキャサリン・ドライヤー、マン・レイと一緒に作ったモダン・アートのプライベート・ミュージアム、ソシエテ・アノニムの参考リンクです。

Wikipedia-マルセル・デュシャン

Wikipedia- Société Anonyme (art)

HAMMER MUSEUM – THE SOCIETE ANONYME: MODERNISM FOR AMERICA

The Laughing Ass

“The Societe Anonyme: modernism for America”; UCLA Hammer Museum, Los Angeles
ArtForum, Oct, 2006 by Nancy J. Troy

The New York Times – Lights From the Dawn of Modernism

Katherine Dreier and the Société Anonyme – William Clark

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03-02-11

芸術係数の勉強会はこんな感じです。《「関係性の美学」のまとめ》の様子。

勉強会に関心のある方から、勉強会の様子や進行についてご質問を受けることがあるので、写真を交えて紹介してみたいと思います。
勉強会は発表者によるスライドレクチャーの形をとっています。仮想聴衆はアーティストや美大生(芸学も含む)で、出来るだけ多く作品の画像を紹介するようにしています。(撮影した時は、たまたま文字のスライドが多い回でした。)

_MG_5642

実際に参加しているのはアーティストや美大生に限らず、会社員や編集者、一般大学の学生もいます。参加人数は回によって10-15人くらいです。男女比は6:4で女性が多く、年齢層は20−30代くらいです。芸術係数では別に読書会を開いていますが、そちらはもっと参加者の年齢の幅が広くなっています。

_MG_5640

勉強会の会場は、有楽町/副都心線で池袋から2駅の千川駅近くの公民館です。原則毎月最後の日曜または土曜日の午後13:00(最近は13:30にずらしました)から17:00の日程で開いています。長めに時間を取り、間に10分程度の休憩を挟むだけで、かなりみっちりやっています。以前はスライドをたくさん作りすぎてしまい、質問時間が取れていませんでしたが、最近は約1時間程度の質問及びディスカッションの時間を取るようにしています。

_MG_9265

勉強会はこのような感じで進めています。現在は「33歳からのマルセル・デュシャン」と題して、アートの制作を放棄し「沈黙」した、と言われる時期のデュシャンをテーマにしています。興味のある方はぜひご参加ください!

[撮影:越間有紀子]

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03-02-11

英語で読めるマルセル・デュシャン関連のリンク

英語で読めるマルセル・デュシャン関連の資料リンクです。

Marcel Duchamp CHRO NO LOGY
年代順に並んだデュシャン作品画像ページへのリンク集です。

Science magazine- Of Two Minds and One Nature
デュシャンのロト・レリーフで遊べるページです。

Why Not Sneeze, Rrose Selavy?
「ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない?」のページです。

guardian.co.uk-Compensation Portrait, Duchamp (1942)
デュシャンは1942年に” First Papers of Surrealism”展のカタログをデザインしますが、その際、参加作家に自分の肖像写真として別の人の写真を提出するように要請しました(展覧会を企画したブルトンとともに発案した)。リンク先の写真はそのためにデュシャンが選んだ写真です。

Tony Smith’s Home Page
「大ガラス」についてのページ

UC Press E-Books Collection, 1982-2004 — Unpacking Duchamp
カリフォルニア大学出版局のページです。紙の本として出版されている「Unpacking Duchamp」がまるごと読めます。

toutfait.com
マルセル・デュシャン研究のオンライン・ジャーナルです。

Making Sense of Marcel Duchamp
とてもよくデザインされた、デュシャン作品の解説ページです。

Marcel Duchamp.Net
こちらも非常によくできたマルセル・デュシャン研究のコミュニティサイトです。マルティメディア資料も多いですね。

<2011年3月3日追加>

Marcel Duchamp.org

Centre Pompidou – MARCEL DUCHAMP
ポンピドゥー・センターのデュシャン関連のリソースです。

Orga’s Gallery – Marcel Duchamp
デュシャン作品の画像集です。

Notes on Marcel Duchamp
デュシャン研究のリソースです。

Marcel Duchamp – exhibition history
デュシャンの展覧会歴です。これは便利かも。

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03-01-11

芸術係数3月の勉強会のお知らせ「33歳からのマルセル・デュシャン」vol.2

下記ご案内させていただいておりました芸術係数3月の勉強会につきまして、震災以降の状況を見守ってまいりましたが、
ご参加の申し込みを頂いた皆様とのご相談の上、今回は開催を見合わせまして、4月より改めて再開させていただきたいと思います。
ご参加を予定されていた皆様には申し訳ございませんが、何卒ご了承いただければ幸いです。
なお、延期後の日程に関しましては、近々にご案内させていただきます。

1887年生まれのマルセル・デュシャンは1920年には33歳でした。この勉強会では、デュシャンが33歳になった1920年以降の活動にフォーカスしたいと思います。

デュシャンは1923年に「大ガラス」の制作を放棄し、創作活動から引退して「沈黙」したと言われていますので、勉強会ではいわゆる「デュシャンの沈黙」の期間を取り上げることにもなります。この期間のデュシャンの活動は、一般的な意味での作品制作とはとられないような活動を数多く含んでいます。1920年に立ち上がったソシエテ・アノニムはその一つです。彼のそのような活動を、アートのパラダイムが変わりつつある現在からの視点を通じて見直すことで、今まさに起きている新しいアートの取り組みを読み解くヒントになるのではないかと思っています。

第2回目は特にソシエテ・アノニムの活動を取り上げます。ソシエテ・アノニムは、デュシャン、キャサリン・ドライヤー、マン・レイによって1920年に設立された世界で最初のモダン・アート(つまり当時の現代美術)の美術館(デュシャンによれば「展示しても売らないギャラリー」)であり、美術品コレクションのコンサルタントであり、展覧会企画の代理店でした。現在ソシエテ・アノニムのコレクションはイェール大学アート・ギャラリーが収蔵しており、アメリカ美術のモダニズムの歴史を考察する上で非常に大きな役割を果たしています。

ご参加のお申込みはこちらから

===
日時:2011年3月27日(日)13:30-
場所:千早地域文化創造館
参加費:一般500円/学生400円

郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線・副都心線 千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分


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02-24-11

〔ノート〕『作者とは何か?』ミシェル・フーコー


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