12-30-10

芸術係数1月の勉強会のお知らせ:「関係性の美学(Relational Aesthetics)」のまとめ最終回

<終了いたしました>

毎月開催している芸術係数の勉強会のお知らせです。今回は、ニコラ・ブリオーの「関係性の美学」のまとめの最終回として、第6章「形式の政治学へ向けて」をまとめます。

この章ではフェリックス・ガタリの「美的パラダイム」や「主体性の生産」をブリオー自身の「関係性の美学」と結びつけて考察しています。

最終回ですが、毎回冒頭には「前回までの芸術係数」のコーナーがありますので、今回から参加する方でも大丈夫です。

毎回4時間めいっぱいしゃべるのですが、今回はなるべく早めに終えて、質問の時間や前回までのおさらいもできるようにしたいという希望も持っています。

ご興味のある方はこちらからお申込みください。

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日時:2011年1月30日(日)13:30-
場所:千早地域文化創造館
参加費:投げ銭方式

郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線・副都心線 千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分

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12-28-10

[予告]「33歳からのマルセル・デュシャン」という勉強会をやります。(2月から)

1887年に生まれたマルセル・デュシャンは1920年に33歳になりました。その3年後の1923年、36歳の年に「大ガラス」の制作を途中で放棄して、デュシャンは「沈黙」し、創作活動から引退、チェスにのめり込んで行ったと言われています。実際にはその後もちょくちょくドローイングなどを制作していたり、こっそり「遺作」を作っていたりしていたので、「沈黙」というのはいささか大げさに脚色された表現です。そのため後にボイスから「デュシャンの沈黙は過大評価されている」と言われたりしました。

ともあれ、「遺作」はデュシャンの死後に新作として発表されたわけですから、定義上、「沈黙」という表現とは裏腹にデュシャンは死ぬまでアーティストだったわけです。とすると、デュシャンは1968年に81歳で亡くなっていますので、作家としてのキャリアは1923年以降の方が全然長い。

この勉強会では、1923年の「大ガラス」の放棄に先立つ1920年、ソシエテ・アノニムやローズ・セラヴィが生まれたデュシャン33歳の年を起点にして、デュシャンの「沈黙」の中身を「過大」でも「過小」でもなく、ありのままに見ていきたいと思います。そして、一般的な意味での作品制作に限られないその間のデュシャンの活動は、現代のアーティストたちの創造行為を読み解く大きなヒントになると思っています。

勉強会とはいえ、これまでの「関係性の美学」の勉強会と同じく、辻憲行(芸術係数の中の人)のスライドトークという形式で進めますので、特に予習とかは求めたりはしません。ですが、何らかのフィードバックがあると嬉しいので、いろいろツッコミとか質問があると嬉しいです。

というわけで、今後とも芸術係数をよろしくお願いいたします。

辻憲行のtwitter ID=nori_1999

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12-25-10

ジェフ・クーンズ「メイド・イン・ヘブン」に日本語字幕を付けてみました。

「Jeff Koons – Made in Heaven」に日本語字幕を付けてみました。
翻訳は辻憲行 (twitterID=nori_1999)
芸術係数(http://gjks.org)
元の動画はこちら

けっこう良いこと言ってると思うんですけどね。手作業よりも工芸(工業)的な技術を重視するところとか、日常の欲望を可視化することとか、反復の持つ効用とか、明らかにデュシャンのコンセプトに連なる人だと思います。

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12-23-10

リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯-リベラル・ユートピアの可能性』読書会vol.3

<終了いたしました。>

芸術係数の読書会のお知らせです。
対象図書はリチャード・ローティ著『偶然性・アイロニー・連帯-リベラル・ユートピアの可能性』(齋藤純一・山岡龍一・大川正彦訳)です。

前回は第1章の途中まで進み、「あらゆるものに…表現されたり再現されたりする本有的特性があるという考えそのものを拒否すること」、そして真理は文の中にのみ存在し「人間の心から独立して存在する」のではないこと、という記述を確認しました。

当初の予定より大幅に遅れていますので、第3回目の今回は前回までと進行方法を変えて、第1章「言語の偶然性」の残りと第2章「自己の偶然性」までを範囲とします。

前回不参加の方も、冒頭で前回までのまとめを紹介する時間を持ちたいと思っていますので、フォローできると思います。

参加のお申し込みはこちら

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『偶然性・アイロニー・連帯-リベラル・ユートピアの可能性』読書会
日程=2011年1月23日(日) 13:30- (3時間程度を予定しています)
場所=千早地域文化創造館
参加費=300円
定員=16名
対象図書=リチャード・ローティ著『偶然性・アイロニー・連帯-リベラル・ユートピアの可能性』齋藤純一・山岡龍一・大川正彦訳

対象範囲=第2章まで
進行方法=当日までに対象範囲を通読して(必須)、(できれば)分からないところ、重要に思うところなどをチェックしておいてください。

千早地域文化創造館
郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線・副都心線 千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分

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12-23-10

リチャード・ローティ「不確定性について」に日本語字幕を付けてみました

リチャード・ローティのロングインタビューから「不確定性」について語っている箇所の動画­に日本語字幕を付けてみました。
翻訳は辻憲行 (twitterID=nori_1999)
元の動画はこちら

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12-22-10

「オルターモダン(Altermodern)」についてのツイートをまとめて再掲します。

12月8日に@nori_1999でツイートしたニコラ・ブリオー企画「オルターモダン」のカタログテキスト+αについてのツイートをまとめてみますた。ホントはトゥギャりたいのですが、すでに消えてしまっていたのでorz、何かの役に立てばと思い、こちらに置いておきます。

「オルターモダン宣言」についてはこちら

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昨日一昨日と「関係性の美学」の著者ニコラ・ブリオーが昨年企画した「Altermodern」のテキストを読んでみたので自分のメモも兼ねてちょっとざっくり書いてみる。

AltermodernはPostmodernの終焉した状況を指している。テキスト中ではModernからPostmodernを経てAltermodernへの変遷を具体的な年を上げて説明している。

ブリオーはペータースローターダイクに従って、まず近代を爆発的なエネルギー消費の時代とし、その限界を1973年のオイルショックに定める。それ以降、天然資源の有限性が認識され、資源の再利用が求められるようになる。

その結果資本主義は日本的な工学的発展と、米国的な金融市場主義との大別すると二つの方向を選択した。

チャールズ・ジェンクスの「ポスト・モダニズムの建築言語」は1978年、リオタールの「ポストモダンの条件」は1979年であり、1973年のオイルショックの影響は無視できないだろうと

1970年代後半にポストモダンは始まった。それには二つの段階がある。第一段階は1989年までとされる。政治的にはベルリンの壁の崩壊が起きた年だが、ブリオーは展覧会の形式でも壁が崩された年だと指摘する。

同年ポンピドゥー・センターで開催されたMagiciens de la Terre大地の魔術師展は芸術の呪術的側面を強調するためにアフリカなどいわゆる第三世界のアートやアーティストを西洋の現代美術の文脈で初めて大々的に取り上げた。

これによってグローバリズムとマルティカルチュラリズムによって特徴づけられるポストモダンの第二期がはじまった、と。

ブリオーによれば、ポストモダンの終わりは2008年秋に訪れた。グローバル化した金融システムによって引き起こされた世界規模の金融恐慌、いわゆるリーマンショックがその契機である。

現在、我々は「オルターモダン」に直面している。オルターモダンは21世紀の、非‐西洋的な、はじめからグローバルなモダンで、単線的でない創発的な歴史/時間意識に基づいている、という。

そういえば、ブリオーはオルターモダン的な世界を象徴するコンセプトとしてアーキペラゴ(群島)を取り上げていました

ブリオーは、2004年のGNS(英語ではGPS)展では、衛星やネットなど通信技術の発達によって地球上のすべての場所が統一的なシステムの下で測位され比較交換可能になった時代をテーマにしたアートをフィーチャーしていました。

オルターモダンのアートの特徴は、1)美術史をツールとして用い、特定の様式をもたないこと、2)複数の時間/歴史を持つこと(観客によるシナリオの上演)、3)自律した物理的支持体や体験に先立つ意味内容に還元できないこと、という感じですかね。

このような特徴と出品作品の記述などを合わせて考えると、オルターモダンと「関係性の美学」は実際のところそんなに違わない感じがする。連続性があるというか。

二つのはっきりした違いは、オルターモダンには非‐西洋圏のアーティストが意図的に含まれていることですねー。

もともとTate Triennialはイギリス人作家を対象にした展覧会だったのだが、Altermodernで初めて、アフリカ、中東、アジア、オセアニア地域のアーティストを含むイギリス人以外の作家を取り上げたらしい。

ArtReviewのThe Power 100でブリオーの順位が急激に上がっている(2009年に68位で初登場、2010年は56位)ことを考えると、Tate Triennaleのセレクションはおそらくマーケットにも大きな影響を与えたのではないでしょうか

Altermodernに合わせて出版されたRadicantにはPalais de Tokyoでブリオーが手がけたPlaylist展やGNS展についての記述もあるようで、Altermodernのコンセプトについてもより詳細に述べられているようです

ブリオーの言っていることは本人が執拗に否定しているにもかかわらず、かなりリベラルだし、関係性の美学とシミュレーショニズムは時代的にも手法的にも重なるところが大きい。まあ読み手としてはそちら側にあえて誤読したほうが面白いのでそうさせていただく。

関係性の美学にはクーンズも取り上げられていたが、否定的な文脈だった。しかしブリオーが肯定的に捉えていたゴードン・マッタ・クラークがFOODでやろうとしたこととクーンズの試みは同じ線上にあると思っている。もちろんその先にはデュシャンのソシエテ・アノニムがあるわけだけど。

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12-21-10

芸術係数ダイアローグ1−4回のTogetterまとめリンク

今年の3月から6月までに開催した、芸術係数ダイアローグの第1回から4回までのTogetterまとめのリンクです。

第1回芸術係数ダイアローグ関連のまとめ
第1回芸術係数ダイアローグ 黒瀬陽平「新しい「風景」の誕生-セカイ系物語と情念定形」(『思想地図 vol4』) を読む

第二回芸術係数ダイアローグのまとめ
第2回芸術係数ダイアローグ 千葉雅也 「パラマウンド-森村泰昌の鼻」(『ユリイカ』2010年3月号所収) を読む

芸術係数dialog第3回「グーグル的建築家像をめざして-「批判的工学主義」の可能性」を読む。のまとめ
第3回芸術係数ダイアローグ 藤村龍至「グーグル的建築家像をめざして-「批判的工学主義」の可能性」(『思想地図vol.3』所収)を読む

ニコニコ動画の生成力イベント実況 #nicovideo
第4回芸術係数ダイアローグ 濱野智史「ニコニコ動画の生成力-メタデータが可能にする新たな創造性」(『思想地図vol.2』所収)を読む

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12-13-10

英語で読める「関係性の美学(Relational Aesthetics)」の参考リンク

Antagonism and Relational Aesthetics by Claire Bishop [PDF]
言わずと知れたOctober誌に掲載された最も有名な「関係性の美学」関連テキスト。おそらく元の著作よりも多く読まれているであろうと思われる。これを読んでおけばなんとなく「関係性の美学」を読んだ気になるらしい。

Letters and Responses by Liam Gillick [PDF]
「リレーショナル・アートを代表する作家」として「アンタゴニズムと関係性の美学」の中で名指された、リーアム・ギリックからビショップへの返答

Letters and Responses: Claire Bishop Responds by Claire Bishop
ギリックへの再返信

What is Relational Aesthetics / Relational Art?.

Artworld Salon: Considering “Relational Aesthetics”

transform.eipcp.net: A Very Short Critique of Relational Aesthetics

Tate: Glossary: Relational Aesthetics
「関係性の美学」の辞書的な解説

stretcher: Feature: Reviews: Touch – Relational Art from the 1990’s to Now

2002年にSan Francisco Art Instituteで開催された「タッチ−リレーショナル・アートの10年」展のレビュー。ブリオーがキュレーションしたこの展覧会によって「リレーショナル・アート」がまとまった形でアメリカ国内に紹介された。この展覧会に合わせて「関係性の美学」の英訳も出版された。

stretcher: Feature: Conversations: Nicolas Bourriaud and Karen Moss

2002年にSan Francisco Art Instituteで開催された「タッチ−リレーショナル・アートの10年」展に合わせて行われたインタビュー。

artintelligence: On Nicolas Bourriaud’s Relational Aesthetics

[IMG MGMT] What Relational Aesthetics Can Learn From 4Chan by Anonymous
僕自身が思う今のところもっとも重要な「関係性の美学」へのコメンタリー。タイトルがすべてですが、要するに「リレーショナル・アートより4chanの方がよっぽどリレーショナルじゃね」ってことですね。4chanというのは日本のふたば☆ちゃんねるのスクリプトを流用したアメリカの画像掲示板。「Nice boat.」

Required Reading: What Relational Aesthetics Can Learn From 4Chan by Anonymous
上の抄録

Nicolas Bourriaud’s concept of ‘relational aesthetics’ may give designers a new set of tools

Providence: Relational Aesthetics and the Underground by Lauren Rosati

Happy to Meet You: An Introduction to Relational Art

criticalpractice: Anthony Downey: Towards a Politics of (Relational) Aesthetics
Anthony Downey氏の論文「Towards a Politics of (Relational) Aesthetics」のレビュー。本文はThird TextのHPから30ドルで入手できる。

Scribd: Critique of Relational Aesthetic by Stewart Martin

*おまけ
Art Safari – Relational Art: Is It An Ism? [動画]
かなり挑発的なドキュメンタリーですが、リクリットやパレーノ、カールステン・フラーなど登場しているアーティスト以外にもリーアム・ギリックにインタビューを断られた経緯などもしゃべっていてかなりライブ感のある映像になってます。

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12-08-10

日本語で読める「関係性の美学(Relational Aesthetics)」の参考リンク

WEBで読むことのできる「関係性の美学」や「リレーショナル・アート」に言及している文献のリンクです。言及箇所の長さもまちまちで、ほんの一言ぐらいしか触れてないものも含まれています。書籍で読めるものとしては松井みどりさんの「アート:“芸術”が終わった後の“アート”」があります。
全体的にクレア・ビショップの読解と批判に基づいたものが多い感じがしますね。
次は英語版を紹介したいと思います。英語のものは全然多いです。

第2回ベルリン・ビエンナーレ・レポート
市原研太郎

学芸員レポート:「サイト・グラフィックス」/「色調補正」/「アルテ・ポーヴェラ/貧しい芸術」展
住友文彦

連載 編集長対談4:長谷川祐子(前編)

「時間性」のキュレーションに向けて。AITシンポジウムから
小泉元宏

アートプロジェクトと日本— アートのアーキテクチャを考える[PDF]
加治屋 健司

「コンセプト」と「関係」をつなぐ。
遠藤 水城

WeARTheWorld:「Relational Aesthetics」by Nicolas Bourriaud
Kazuhisa Miyagwa

*おまけ
ニコラ・ブリオー「Alter Modernについて」に字幕を付けてみました。

1889 .

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12-02-10

アイ・ウェイウェイ「ヒマワリの種」テート・モダン、に日本語字幕を付けてみました

Tate ModernのTurbine Hallで開催中(2010年10月12日-2011年5月2日)のAi WeiWei “Sunflower Seeds”について同館キュレーターJuliet Bingham氏が解説する動画に日本語字幕を付けてみました。

元の動画はこちら

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