11-29-12

芸術係数特別講義:梅沢和木「○と□の画像コア(絵画論)」

 

 

芸術係数特別講義:梅沢和木「○と□の画像コア(絵画論)」を開催します。

芸術係数ではこれまで、1960年代以降に書かれ、まだ日本語訳が出版されていない美術に関する論考を中心に取り上げる読書会を通じて、戦後のアートを巡るグローバルな言説の風景を描く取り組みを続けています。
この特別講義では、読書会を補完するため、現在日本国内で注目すべき活動を行っている人々を講師に招き、日本のアートが描くべき未来の言説風景を探って行きたいと思います。
初回講師の梅沢和木氏は今年に入って「10年代の終戦」展、「ラッセン」展、そして「受け入れ」展などこちらも注目すべき若手キュレーターの企画する展覧会に相次いで選ばれ、また東浩紀氏(ゲンロン)を中心としたアート・プロジェクト「福島第一原発観光地化計画」でも重要な役割を担い、ファッション・ブランドの展示会ヴィジュアルも担当しました。アニメやゲーム、ネット文化に根ざした梅沢氏の表現と上述の多様な活動範囲は、日本の閉塞的で歪んだアートの風景に新しいパースペクティブを開くものであることは疑いようがありません。
今回の講義では「○と□の画像コア(絵画論)」と題し、梅沢氏のこれまでの作品とそれを支える方法論、加えて氏が選ぶ同時代の画像的な絵画を紹介しながら、独自の絵画論を「○と□」をキーワードに語ります。

チラシをダウンロードできます。〔pdf〕
*ご関心をお持ちの皆様、告知にご協力ください。

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芸術係数特別講義:梅沢和木「○と□の画像コア(絵画論)」
日時:2012年12月29日(土) 17:30開場 18:00開演(20:00終了予定)
講 師:梅沢和木
進 行:辻憲行
参加費:1,800円(ワンドリンク付き)
*トーク終了後講師を交えて交流会を予定しております。お気軽にご参加ください:参加費 500円(ドリンク代別)
会 場:EARTH+ GALLERY(アースプラスギャラリー)
住 所:〒135-0042 江東区木場3-18-17 1F
アクセス:
東京メトロ東西線 木場駅3番出口から徒歩7分
東京メトロ東西線/都営地下鉄大江戸線 門前仲町駅1番出口から徒歩10分
東京都現代美術館から東西線木場駅方面へ徒歩10分


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梅沢 和木(うめざわ・かずき)
1985年生まれ。美術家。武蔵野美術大学映像学科卒業。ネット上の画像を集め再構築し、アナログとデジタル、現実と虚構の境目を探る作品を制作し、発表している。2010年に「カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷」や「破滅*ラウンジ」などの展示に参加。2012年に個展「大地と水と無主物コア」を開催。CASHIおよびカオス*ラウンジに所属。

辻憲行(つじ・のりゆき)
1970年生まれ。キュレーター/翻訳。山口大学大学院人文科学研究科美学美術史専攻修了。1998年から2006年まで秋吉台国際芸術村(山口県)にてチーフ・キュレーターとしてレジデンス、展覧会、WS、セミナーなどの企画・運営を行う。2008年から2010年まで東京都写真美術館学芸員。主な企画展(共同企画も含む)は、「アート・イン・ザ・ホーム」(2001)、「チャンネル0」(2004)、「トランスフォーマー」(2005)、第1回/第2回恵比寿映像祭(2009/2010)。芸術係数主宰。

協力:
EARTH+GALLERY
〒135-0042 東京都江東区木場3-18-17 1F
tel/fax 03-5809-9949
info@coexist-tokyo.com
coexist-tokyo.com

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11-29-12

芸術係数読書会:ミウォン・クォン「パブリックアートの場所:統合 vs 介入」を読む まとめ回

 

Miwon Kwonの「Sitings of Public Art : Integration Versus Intervention」の読書会まとめ回のお知らせです。

読書会のテキストはミウォン・クォン「転々と:サイト・スペシフィック・アートと位置としてのアイデンティティ(One Place After Another: Site-specific Art and Locational Identity)」の第3章で、パブリックアートを巡る諸問題と、それに対するアーティストやパブリック・アートの支援機関のアプローチの中で、「サイト・スペシフィック」性の意味やそれへの期待がどのように変化していったか、約30年にわたるその歴史的展開がテーマになっています。

クォンはその展開を大まかに3つのパラダイム―「公共空間におかれるアート(art-in-public-places)」、「公共空間としてのアート(art-as-public-spaces)」、「公益のためのアート(art-in-the-public-interest)」―の移行と見なしています。そしてそれぞれのパラダイムは特定の表現形式と結びつきます。1番目のパラダイムにはカルダー、イサム・ノグチ、ヘンリー・ムーアらの巨大な屋外彫刻作品、2番目のパラダイムにはスコット・バートンやシア・アルマジャーニ、ナンシー・ホルトらによる機能性を有する環境彫刻作品、3番目のパラダイムはジョン・モルピード、ダニエル・マルティネス、ティム・ロリンズK.O.S.らによる「パブリック・アートの新しいジャンル」(アルレ―ネ・レイヴンとスザンヌ・レイシーによって理論化された)。そしてそれぞれのパラダイムはパブリック・アートを巡る問題やそれに対する期待の変化によって移り変わるのですが、クォンは移行の蝶番の位置に2つの失敗したパブリック・アート・プロジェクト―裁判の末撤去されたリチャード・セラの「傾いた弧」、住民や行政機関からの批判を受けて自主的に撤去されたジョン・エイハーンの彫刻作品―を位置づけます。

テキストの大部分は、この2つのプロジェクトが引き起こした議論の詳細な記述に割かれており、その議論のプロセスと結果がパラダイムの移行に大きな影響を及ぼしたと考えられています。クォンの考察が優れているのは、この議論を単にアーティストやアートの専門家たち(批評家、キュレーターなど)の芸術的意義の視点からだけではなく、パブリック・アートを推進する様々な公的機関(NEA、GSA、パーセント・フォー・アート・プログラムなど)の期待や設置場所周辺の生活者たちの要望も含めた視点から捉え、「パブリック」、「コミュニティ」、そして「サイト・スペシフィック」の問題を空間的/歴史的に描き出している点にあります。

今回は、クォンの記述を追いつつ、提案される一応の(最終的ではない)解決策について考察するとともに、それを通じて日本における「公共」とアートについても議論できれば、と考えています。文学や思想と同じく、芸術が危機にあってその意義を高めるものであるならば、芸術が「公共」に対してどのようなアプローチを取りうるのか、今それについて考える事には大きな意味があるでしょう。

まとめ回ですので全体の流れをつかめるよう進行します。また、ご参加いただいた方はFacebookの読書会グループに登録させていただき、翻訳やスライドのデータを共有いたします。
今回初めてご参加いただく方もお気軽にお申し込みください。

〔前回までの訳を公開します:PDF形式

*翻訳は読書会での解説を前提に作成しておりますので、読みにくい箇所や、若干の誤訳も含まれる可能性があります。ご了承ください。

お申し込みはこちらから。

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日時:2012年12月22日(土)18:00-21:30
場所:千早地域文化創造館
参加費:学生 600円/一般 1,200円(*釣り銭の必要のないようご用意いただければ助かります。)
郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線・副都心線 千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分


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11-11-12

芸術係数読書会:アーサー・ダントー「アートワールド」を読む 第3回

*諸般の都合により開催を延期いたします。今回の内容は、まとめ回として実施いたしますのであらためて告知をお待ちください。よろしくお願い申し上げます。

Arthur C. Dantoの「The Artworld」の読書会のお知らせです。

「アートワールド」という言葉は、アーティスト、ギャラリスト、キュレーター、批評家などを含む芸術の制作から受容までの過程を実際に動かしている世界をさす言葉として現在では一般的に使われていますが、この言葉を作ったのが1964年のアーサー・ダントーの「アート・ワールド」という論考です。

この論考でダントーは「アートとは何か?」という問いについて考察します。彼の答えは「それはアートワールドが決めるのだ」というものでした。ここでいう「アートワールド」は芸術の理論が作り出す雰囲気、その歴史的変遷を指します。

ダントーは「模倣論(Imitation Theory)」(プラトン)から、「実在論(Reality Theory)」(ロジャー・フライ)への芸術理論の変遷によってアートの価値判断に「新しさ」という価値基準が導入されたとし、また彼の同時代の作品(ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズ、オルデンバーグ、とりわけウォーホルの「ブリロ・ボックス」)を取り上げ、それらの作品が「アート」として認められるためにはそのような価値基準とそれが生む雰囲気の変化が必要であったと書いています。アートの価値の基礎付けが、徹底的に制度的であり歴史的なものであることを説き幅広い影響を与えた論考です。

今回は最終回となります。伝統的に芸術の理論として影響力を持っていた「摸倣論(IT)」から、写真の誕生と後期印象派の登場によって新たな芸術理論として要請された「実在論(RT)」への移行、その後生じることとなった現代美術と日常的実在(非芸術)との境界の混乱についての言語的分析を経て、ウォーホルの作品分析に入ります。

読書会ではテクストの改題とともに、テキストで言及されている作品をスライドで紹介しつつ、具体的に検討していきたいと思います。また、こちらで翻訳したテキストを使って進行いたしますので、参加にあたって英語力はそれほど必要ではありません。また、冒頭には前回のおさらいの時間を設けますので、今回から参加の方もご心配無用です。

お申し込みはこちらから。

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日時:2012年12月2日(日)13:30-17:00
場所:千早地域文化創造館
参加費:学生 500円/一般 1,000円
郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線・副都心線 千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分


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11-05-12

芸術係数読書会:ミウォン・クォン「パブリックアートの場所:統合 vs 介入」を読む第3回

*諸般の都合により開催を中止いたします。今回の内容は次回(まとめ回)に合わせて紹介いたします。よろしくお願い申し上げます。

Miwon Kwonの「Sitings of Public Art : Integration Versus Intervention」の読書会第3回目のお知らせです。

引き続きミウォン・クォンの「転々と:サイト・スペシフィック・アートと位置としてのアイデンティティ(One Place After Another: Site-specific Art and Locational Identity)」の第3章をテキストとして取り上げます。ミウォン・クォンは同書で「サイト・スペシフィック」という概念、あるいはこの概念に基づいた芸術的実践の歴史的展開について書いていますが、第3章では特にパブリックアートが取り上げられています。

サイト・スペシフィック・アートは、1960年代から1970年代にかけて現れた制度批判としての芸術実践をルーツとしています。クレイグ・オーウェンスが「作品からフレームへ」で論じたように、その実践はとりわけギャラリーや美術館など制度としての物理的空間に対する抵抗として現れ、次第に都市や郊外の自然など具体的な空間と結びついた表現へ向かいました。

クォンはそのような実践が制度としてのパブリックアート(パブリックアートのムーブメントはいくつかの文化政策に起因する)と結びつき、パブリックアートのあり方を変容させて行く過程をパブリックアートの3つのパラダイム(公共空間に置かれるアート/公共空間としてのアート/公共の利益=関心に関わるアート)の変遷として描き出しています。彼女は二つの失敗したパブリック・アート・プロジェクト(台座のみが今も残されているジョン・エイハーンの彫刻作品プロジェクト、リチャード・セラの「傾いた弧」)の記述からこの章を書き出しており、それがもたらした帰結をきっかけとして、サイト・スペシフィック・アートは具体的な場所との関わりよりも、それを実際に見る人々や作品が置かれる場所で生活する人々とのコミュニティ・スペシフィックな関係により大きく影響されるようになったとしています。

第1回目ではミウォン・クォンの分析によるパブリック・アートの3つのパラダイム(「公共空間におかれるアート(art-in-public-places)」、「公共空間としてのアート(art-as-public-spaces)」、「公益のためのアート(art-in-the-public-interest)」)の紹介と、最初のパラダイム、「公共空間におかれるアート(art-in-public-places)」型のプロジェクトについての考察まで進みました。第2回目は、2番目のパラダイム「公共空間としてのアート(art-as-public-spaces)」型プロジェクトについての考察が展開され、リチャード・セラの「傾いた弧」が、そういったモデルへの抵抗として紹介されました。

第3回目ではセラのケースについての考察が続き、その後、3番目のパラダイム「公益のためのアート(art-in-the-public-interest)」の考察へ進みます。

読書会ではテクストの改題とともに、テキストで言及されている作品をスライドで紹介しつつ、具体的に検討していきたいと思います。また、こちらで翻訳したテキストを使って進行いたしますので、参加にあたって英語力はそれほど必要ではありません。

第3回目となりますが、前回までの概要を会の冒頭に説明いたしますので、今回初めてご参加いただく方もお気軽にお申し込みください。

〔前回までの訳を公開します:PDF形式

お申し込みはこちらから。

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日時:2012年11月25日(日)13:30-17:00
場所:千早地域文化創造館
参加費:学生 500円/一般 1,000円
郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線・副都心線 千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分


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11-05-12

芸術係数読書会:ニコラ・ブリオー「オルターモダン」を読む 第3回

Nicolas Bourriaudの「Altermodern」の読書会のお知らせです。

「Altermodern」はテート・トリエンナーレ2009として開催された展覧会のタイトルであり、同展カタログに巻頭論文として掲載された論考の題名でもあり、またブリオーが提起する2010年代以降の来るべき時代状況の名前でもあります。

ブリオーは「関係性の美学」で後期ポストモダンの時代における芸術表現について論じましたが、2009年の「Altermodern」展の開催時点にはすでにポストモダンも終わり、私たちの生きる世界は新しい時代状況を反映したものになりつつあると考えています。

ブリオーはそれを「Altermodern=別の近代」と呼びます。彼にとって来るべき時代は、近代に生み出された様々な概念装置が新しい形で実装/実践されていく時代なのでしょう。しかしそれは、近代―ポスト近代の流れのように直線的に進行する時間軸での出来事ではなく、まるで別の時間軸で生起するもう一つの世界であるかのようです。

読書会ではテクストの改題とともに、展覧会に出品されたワリード・ベシュティ、マイク・ネルソン、リンゼイ・シアーズ、サイモン・スターリング、パスカル・マルティン・タイユー、タシタ・ディーン、スボード・グプタらの作品をスライドで紹介しつつ、具体的に検討していきたいと思います。こちらで翻訳したテキストを使って進行いたしますので、英語力はそれほど必要ではありません。

今回は最終回ととなります。テキストを読み進めるとともに参加作家の作品をレビューしつつ、「オルターモダン」という概念の展望について考察してみたいと思います。

第3回目となりますが、前回までの概要を会の冒頭に説明いたしますので、今回初めてご参加いただく方もお気軽にお申し込みください。

お申し込みはこちらから。

事前に下記リンク先について目を通しておいていただければ参考になるかと思います。

芸術係数:「オルターモダン」

〔前回までの訳を公開します:PDF形式

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日時:2012年11月17日(土)18:00-21:30
場所:千早地域文化創造館
参加費:学生 500円/一般 1,000円
郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線・副都心線 千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分


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