03-28-13

芸術係数読書会:ローレンス・アロウェイ「ネットワーク:システムとしてのアートワールド」を読む 第2回

 

 

Lawrence Allowayの「Network:The Art World Described as a System」の読書会第2回のお知らせです。

「ネットワーク:システムとしてのアートワールド」はアートフォーラム誌の1972年9月号に掲載された論考です。当時のますます複雑化しつつあるアートワールドの状況を、17世紀の版画制作技術の進歩による美術品の生産/消費量の増大から、18世紀に単を発し1960年代につづく受注制作でない芸術作品の一般化を経て成立した、一つの産業構造として読み解くこころみがなされています。1972年という年はロバート・スミッソンがインタビューで芸術家が自らの作品の価値生産から排除されていることを嘆き、「アーティストが取り込まれている装置の探求、という1970年代に現れた重大な課題は、ますます重要さを増」(1)す、と答えた年でもあります。アロウェイの論考は、このスミッソンの予言への一つの応答であると言えるでしょう。また、現代のアートワールドにも通じる構造を読み取ることもできるかもしれません。

著者のローレンス・アロウェイは「Pop Art」という言葉を作った人物として知られ(2)、戦後のアメリカ美術のイギリスへの最大の紹介者であり、またキャリアの全体を通じてアンチ-アカデミックな態度を貫いた人物です。また、初期には批評家として、Independent Group(IG)にも参加しました。IGは1952年から1955年まで活動したインフォーマルなアーティスト・グループで、メンバーには画家、彫刻家、建築家、批評家などが含まれました。彼らは当時の大衆文化を作品に多く取り入れたことでも知られ、英国・米国双方のポップ・アートの先駆的存在として見なされています。アロウェイはICA館長を務めた後、活動の場を米国に移し、グッゲンハイム美術館キュレーター、Artforum編集者となる。

(1)Bruce Kurtz, ed., “Conversation with Robert Smithon on April 22nd 1972”
(2)これについてはアロウェイ自身がそう答えているが、IGの創設者ジョン・マクヘイルが先にその言葉を用いていたという彼の息子からの証言もある。

今回は第2回となりますが、前回の資料を共有いたしますので、初めて参加される方もお気軽にお申し込みください。

読書会ではこちらで作成した翻訳をもとに進行いたしますので,英語力はそれほど必要ではありません。テーマに関心のある方のお気軽な参加をお待ちいたしております。また、ご参加いただいた方はFacebookの読書会グループに登録させていただきますので、そちらで翻訳やスライドなどの資料を共有いたします。

お申し込みはこちらから。

*本読書会は、定員に達しましたので、申し込み受付を終了させていただきます。ありがとうございました。なお、キャンセルが出た場合には、あらためて告知いたします。

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日時:2013年4月21日(日)13:30-16:50
場所:渋谷区神宮前区民会館
*会場をご確認ください
参加費:1,400円 *当日学生証の提示で500円キャッシュバックいたします。
定 員:7名(要予約)
郵便番号: 150-0011
住  所: 東京都渋谷区神宮前 6-10-14 3F
電話番号: 03-3409-4565
アクセス:
JR 原宿駅 徒歩8分
東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前駅4番出口 徒歩1分
都バス[池86][早81]系統「表参道」停留所 徒歩2分


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03-20-13

芸術係数読書会:ボリス・グロイス「アートと金」を再読する

 
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Boris Groysの「Art and Money」の読書会のお知らせです。*テキストは昨年5月に開催した読書会と同一のものですので、前回の参加者の方はお気をつけ下さい。

グロイスはこの論考で、展覧会における経済的支援とそれを条件付ける趣味の問題を取り上げ、芸術作品の価値、とりわけ「交換価値」の問題について考察します。
グロイスが指摘するように、デュシャンのレディ・メイド以来、制作されるだけで十分でなく、展示される事で初めて作品として認知されるような作品が現れました。そしてそうした形式を持つ作品はハプニング、イベント、インスタレーション、リレーショナル・アートなど、時代を追うごとに増加しています。
こうした状況化では、展示のための経済的支援は作品の存在要件に深く関わる事になります。そこでグロイスはもう一つの問題である、どのような趣味が、直接的に言えば誰が支援を決定するのかについて、グリーンバーグの「アヴァンギャルドとキッチュ」(1939)及び「文化の窮状」(1953)を取り上げながら考察を進めて行きます。ここからの議論はWEB2.0にも言及しながらのなかなかアクロバティックなものなのですが、読書会でぜひ一緒にテキストを読み進めてみましょう。

お申し込みはこちらから。

チケットサイトからのお申し込み受付は終了いたしましたが、ご参加希望の方は1席ございますのでこちらからお申し込みください。

読書会ではこちらで作成した翻訳をもとに進行いたしますので,英語力はそれほど必要ではありません。テーマに関心のある方のお気軽な参加をお待ちいたしております。また、ご参加いただいた方はFacebookの読書会グループに登録させていただきますので、そちらで翻訳やスライドなどの資料を共有いたします。

<参考図書>
クレメント・グリーンバーグ「アヴァンギャルドとキッチュ」(『グリーンバーグ批評選集』所収)

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日時:2013年4月10日(水)18:30-20:50
場所:渋谷区神宮前区民会館
*会場をご確認ください
参加費:1,400円 *当日学生証の提示で500円キャッシュバックいたします。
定 員:7名(要予約)
郵便番号: 150-0011
住  所: 東京都渋谷区神宮前 6-10-14 3F
電話番号: 03-3409-4565
アクセス:
JR 原宿駅 徒歩8分
東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前駅4番出口 徒歩1分
都バス[池86][早81]系統「表参道」停留所 徒歩2分

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03-19-13

芸術係数読書会:アートをめぐる1980年代の言葉を読む/ボードリヤール、ブルデュー、オーウェンス、クラウス、フォスター、クルーガー、ピーター・ハリー、ジェイムソン、クーンズ、クリステヴァetc.

 
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“Art in Theory 1900-2000″の第7章の第1部”The Critique of Originality”を読む読書会です。

“Art in Theory 1900-2000″は20世紀美術をめぐるアーティスト、思想家、批評家、美術史家のテキストの一部を抜き出したアンソロジーで、今回取り上げるのは、主に1980年代に書かれた論考を集めた第7章「ポストモダンの思想」第1部「オリジナリティの批判」に含まれる、ボードリヤール、ブルデュー、クレイグ・オーウェンス、クラウス、ハル・フォスター、シェリー・レヴィーン、アート&ランゲージ、バーバラ・クルーガー、ピーター・ハリー、フレデリック・ジェイムソン、ジェフ・クーンズ、ジュリア・クリステヴァらのテキストやインタビューです。

1950年代後半から70年代にかけ、アートの世界は観客の増加、メディウムと流通・消費形態の多様化によって大いに複雑化していきました。美術史的な動向を見ても、ネオダダ、ポップ・アート、ミニマル・アート、コンセプチュアル・アートの後、70年代のアートにはそれらと同じように名指されるような固有名を見つけるのは困難です。
1980年代はそうした流れの後に位置づけられ、何でもありの時代である一方で、シミュレーショニズムやネオ・エクスプレッショニズム(イタリアではトランス・アヴァンギャルディア、日本ではニュー・ペインティングなどと呼ばれました)など、新しい「ism」が生まれた時代でもあります。そして1990年代にアートはグローバル化し、大衆文化との融合が進み、インターネットやコンピューター・テクノロジーの発展もあり、その自明性が大きく揺らぐ事になりました。現在のアートワールドの状況を基礎付けているのは90年代に起きた変化ですが、その前史となる1980年代のアートはどのような思想・社会状況のもと展開され、どのように語られたのでしょうか。そしてそれはどのように1990年代を準備したのでしょうか。この読書会を通してその一端に触れる事が出来ればと思っています。

“Art in Theory 1900-2000″はそれぞれの論考の一部を抜き出してまとめたもので、いわゆる「いいとこ取り」の本です。もっと深く読みたいという方はぜひオリジナルのテキストに当たっていただければと思います。

複数のテキストが含まれておりますので、各回1-2のテキストを取り上げたいと思います。読書会では基本的にこちらで作成した翻訳をもとに進行いたしますので,英語力はそれほど必要ではありません。テーマに関心のある方のお気軽な参加をお待ちいたしております。また、ご参加いただいた方はFacebookの読書会グループに登録させていただきますので、そちらで翻訳などの資料を共有いたします。

お申し込みはこちらから。

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芸術係数読書会:アートをめぐる1980年代の言葉を読む/ボードリヤール、ブルデュー、オーウェンス、クラウス、フォスター、クルーガー、ピーター・ハリー、ジェイムソン、クーンズ、クリステヴァetc.
日時:2013年4月7日(日) 13:30-17:30
講 師:辻憲行
参加費:学生 800円/一般 1,200円 *カフェ営業中ですのでドリンクのオーダーをお願いいたします。
定 員:10名
会 場:EARTH+ GALLERY(アースプラスギャラリー)
住 所:〒135-0042 江東区木場3-18-17 1F
アクセス:
東京メトロ東西線 木場駅3番出口から徒歩7分
東京メトロ東西線/都営地下鉄大江戸線 門前仲町駅1番出口から徒歩10分
東京都現代美術館から東西線木場駅方面へ徒歩10分


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辻憲行(つじ・のりゆき)
1970年生まれ。キュレーター/翻訳。山口大学大学院人文科学研究科美学美術史専攻修了。1998年から2006年まで秋吉台国際芸術村(山口県)にてチーフ・キュレーターとしてレジデンス、展覧会、WS、セミナーなどの企画・運営を行う。2008年から2010年まで東京都写真美術館学芸員。主な企画展(共同企画も含む)は、「アート・イン・ザ・ホーム」(2001)、「チャンネル0」(2004)、「トランスフォーマー」(2005)、第1回/第2回恵比寿映像祭(2009/2010)。芸術係数主宰。

協力:
EARTH+GALLERY
〒135-0042 東京都江東区木場3-18-17 1F
tel/fax 03-5809-9949
info@coexist-tokyo.com
coexist-tokyo.com

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03-01-13

芸術係数@genron cafe エキソニモ×辻憲行「夜の世界のネット・アート」

 
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Photo: Nonoko Kameyama
 

今回の芸術係数は日本のネット・アートの草分け的存在であるエキソニモをお招きし、カリフォルニアン・イデオロギーに象徴されるハッカー文化に根差した表現と、日本の「残念な」インターネット文化に根差した、例えばインターネットを「新しい自然」と呼んだカオス*ラウンジや集まる人々それぞれが多数のリンクを持ち寄るハイパーテキストとしての家とでも呼ぶべき「渋家」の活動、二つのネット・アートの分断をゆるやかに繋ぐプラットフォームの可能性について、彼らのこれまでの活動を紹介しつつ、特に最近の二つのプロジェクト「The EyeWalker」と「インターネット ヤミ市」にフォーカスして考察します。

*タイトルの「夜の世界」は情報社会学者の濱野智史氏の造語で、欧米的な市民社会が代表する「昼の世界」に対し、社会的に「くらい」存在である「日本のサブカルチャーやインターネット環境」を指す言葉です。私たちはこの言葉を椹木野衣氏の「悪い場所」に直接対応する言葉として捉え、後者が空間的な比喩であるのに対して前者は時間的な比喩であることに可能性を見いだしています。

ご予約はこちらです:http://peatix.com/event/10850/

*チケットご購入の際は、チケッティングサイトに記載の注意事項をご確認の上、お申し込みください。

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芸術係数@genron cafe エキソニモ×辻憲行「夜の世界のネット・アート」
日時:2013年3月23日(土) 19:00開演(21:00終了予定)
講 師:エキソニモ
進 行:辻憲行
参加費:前売/2000円 当日/2500円 (すべて1ドリンク付き)お申し込みはこちら
※当日、友の会会員証/学生証提示で、前売券は500円キャッシュバック、当日券は1000円キャッシュバック
会 場:ゲンロンカフェ
お問合わせ:03-5719-6821 / 03-6417-9230 cafe.info@genron.co.jp
アクセス:
JR五反田駅から徒歩3分
東急大崎広小路駅から徒歩4分

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エキソニモ(EXONEMO)
怒りと笑いとテキストエディタを駆使し、さまざまなメディアにハッキングの感覚で挑むアートユニット。千房けん輔と赤岩やえにより1996年よりウェブ上で活動開始。2000年より活動をインスタレーション、ライヴ・パフォーマンス、イヴェント・プロデュース、コニュニティ・オーガナイズなどへと拡張し、デジタルとアナログ、ネットワーク世界と実世界を柔軟に横断しながら、テクノロジーとユーザーの関係性を露にし、ユーモアのある切り口と新しい視点を携えた実験的なプロジェクトを数多く手がける。国内外の展覧会やフェスティバルで活躍。2006年《The Road Movie》がアルス・エレクトロニカ ネット・ヴィジョン部門でゴールデン・ニカ賞を受賞。2010年に東京TDC賞で《ANTIBOT T-SHIRTS》がRGB賞を受賞。IDPW正会員。

辻憲行(つじ・のりゆき)
1970年生まれ。キュレーター/翻訳。山口大学大学院人文科学研究科美学美術史専攻修了。1998年から2006年まで秋吉台国際芸術村(山口県)にてチーフ・キュレーターとしてレジデンス、展覧会、WS、セミナーなどの企画・運営を行う。2008年から2010年まで東京都写真美術館学芸員。主な企画展(共同企画も含む)は、「アート・イン・ザ・ホーム」(2001)、「チャンネル0」(2004)、「トランスフォーマー」(2005)、第1回/第2回恵比寿映像祭(2009/2010)。芸術係数主宰。

主催:
ゲンロンカフェ

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