10-31-13

芸術係数読書会:ローレンス・アロウェイ「ネットワーク:システムとしてのアートワールド」を再読する

 
photograph-taken-alexander-liberman-gathering-his-home
 

現代アートの議論は実質的に英語でなされています。この読書会では、世界のアートの議論を同じ言語で(読書会では日本語訳を配布しますので、参加者の英語力は問いません)フォローすることを目的として、1960年代以降の、主に未邦訳の英文テキストを取り上げて開催しています。

今回はLawrence Allowayの「Network:The Art World Described as a System」を再読します。

「ネットワーク:システムとしてのアートワールド」はアートフォーラム誌の1972年9月号に掲載された論考です。当時のますます複雑化しつつあるアートワールドの状況を、17世紀の版画制作技術の進歩による美術品の生産/消費量の増大から、18世紀に単を発し1960年代につづく受注制作でない芸術作品の一般化を経て成立した、一つの産業構造として読み解くこころみがなされています。1972年という年はロバート・スミッソンがインタビューで芸術家が自らの作品の価値生産から排除されていることを嘆き、「アーティストが取り込まれている装置の探求、という1970年代に現れた重大な課題は、ますます重要さを増」(1)す、と答えた年でもあります。アロウェイの論考は、このスミッソンの予言への一つの応答であると言えるでしょう。また、現代のアートワールドにも通じる構造を読み取ることもできるかもしれません。

著者のローレンス・アロウェイは「Pop Art」という言葉を作った人物として知られ(2)、戦後のアメリカ美術のイギリスへの最大の紹介者であり、またキャリアの全体を通じてアンチ-アカデミックな態度を貫いた人物です。また、初期には批評家として、Independent Group(IG)にも参加しました。IGは1952年から1955年まで活動したインフォーマルなアーティスト・グループで、メンバーには画家、彫刻家、建築家、批評家などが含まれました。彼らは当時の大衆文化を作品に多く取り入れたことでも知られ、英国・米国双方のポップ・アートの先駆的存在として見なされています。アロウェイはICA館長を務めた後、活動の場を米国に移し、グッゲンハイム美術館キュレーター、Artforum編集者となりました。

(1)Bruce Kurtz, ed., “Conversation with Robert Smithon on April 22nd 1972”
(2)これについてはアロウェイ自身がそう答えているが、IGの創設者ジョン・マクヘイルが先にその言葉を用いていたという彼の息子からの証言もある。

読書会ではこちらで作成した翻訳をもとに、具体的な作品のスライドを参照しつつ進行いたしますので,英語力はそれほど必要ではありません。テーマに関心のある方のお気軽な参加をお待ちいたしております。

お申し込みはこちらから。

===
日時:2013年11月15日(金)19:00-21:30
場所:あんさんぶる荻窪 第一会議室
*会場をご確認ください
参加費:1,500円 *当日学生証の提示で500円キャッシュバックいたします。
定 員:8名(要予約)
郵便番号: 167-0051
住  所: 東京都杉並区荻窪5-15-13 1F
電話番号: 03-3398-3191
アクセス:
JR 荻窪駅西口下車 (南側) 徒歩3分
東京メトロ丸ノ内線 荻窪駅西口下車 徒歩3分
都バス・西武バス 荻窪駅下車 南口徒歩2分


大きな地図で見る

14_360
Photograph by Yuichi Kobayashi

講師=辻憲行(つじ・のりゆき)
1970年生まれ。キュレーター/翻訳。山口大学大学院人文科学研究科美学美術史専攻修了。1998年から2006年まで秋吉台国際芸術村(山口県)にてチーフ・キュレーターとしてレジデンス、展覧会、WS、セミナーなどの企画・運営を行う。2008年から2010年まで東京都写真美術館学芸員。主な企画展(共同企画も含む)は、「アート・イン・ザ・ホーム」(2001)、「チャンネル0」(2004)、「トランスフォーマー」(2005)、第1回/第2回恵比寿映像祭(2009/2010)、藤城嘘個展「キャラクトロニカ」(2013)。芸術係数主宰。

お問い合わせ:
芸術係数
info@gjks.org

             このエントリーをはてなブックマークに追加

10-27-13

芸術係数読書会:ダン・グレアム「雑誌上の作品:コンセプチュアル・アートの歴史」と「プロデューサーとしてのアーティスト」を読む

 
dg_top
 

現代アートの議論は実質的に英語でなされています。この読書会では、世界のアートの議論を同じ言語で(読書会では日本語訳を配布しますので、参加者の英語力は問いません)フォローすることを目的として、1960年代以降の、主に未邦訳の英文テキストを取り上げて開催しています。

今回はDan Grahamの”The Artist as Producer”と”My Works for Magazine Pages:’A History of Conceptual Art'”を取り上げます。

この二つのテキストでグレアムは、ポップ・アートからミニマル・アートを経てコンセプチュアル・アートにいたる流れを、「ティーン・エイジャーという階級」の登場と、マス・メディアによる美術史制度への介入を一つの契機として語っています。

60年代後半に生じたコンセプチュアル・アートが先行する時代の表現とどのように関係しているのかについて、社会的、経済的、文化的側面から解き明かす論考です。関心をお持ちの皆様の幅広いご参加をお待ちいたしております。

読書会では、テキスト中で取り上げられた作品などをスライドで紹介しながら、具体的に議論の内容が理解しやすいよう進行いたします。なお、読書会は日本語訳をもとに進めますので、特に英語力は必要ではありません。お気軽にご参加ください。

お申し込みはこちらから。

ダン・グレアムは1960年代後半から批評活動に平行して雑誌上で広告に擬態した作品を発表し始め、70年代に入るとケーブルTVやビデオなど当時の新しいメディアを用いた作品に移行し、さらに80年代には建築と彫刻作品のハイブリッドとしての「パヴィリオン」シリーズを世界中で展開しています。彼はまた当時のユース・カルチュアと現代美術との間の人的交流のハブ的存在であったことでも知られています。

===
日時:2013年11月30日(土)13:30-16:30
講師:辻憲行
場所:千早地域文化創造館
*会場をご確認ください
参加費:1,500円 *当日学生証の提示で500円キャッシュバックいたします。
定 員:10名(要予約)
郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分


大きな地図で見る

14_360
Photograph by Yuichi Kobayashi

講師=辻憲行(つじ・のりゆき)
1970年生まれ。キュレーター/翻訳。山口大学大学院人文科学研究科美学美術史専攻修了。1998年から2006年まで秋吉台国際芸術村(山口県)にてチーフ・キュレーターとしてレジデンス、展覧会、WS、セミナーなどの企画・運営を行う。2008年から2010年まで東京都写真美術館学芸員。主な企画展(共同企画も含む)は、「アート・イン・ザ・ホーム」(2001)、「チャンネル0」(2004)、「トランスフォーマー」(2005)、第1回/第2回恵比寿映像祭(2009/2010)、藤城嘘個展「キャラクトロニカ」(2013)。芸術係数主宰。

お問い合わせ:
芸術係数
info@gjks.org

             このエントリーをはてなブックマークに追加

10-27-13

芸術係数読書会:ブリオーとランシエールを読む 20131124

 
540
 

現代アートの議論は実質的に英語でなされています。この読書会では、世界のアートの議論を同じ言語で(読書会では日本語訳を配布しますので、参加者の英語力は問いません)フォローすることを目的として、1960年代以降の、主に未邦訳の英文テキストを取り上げて開催しています。

今回はJacque Ranciereの”Emancipated Spectator”とNicolas Bourriaudの”Precarious recarious Constructions-Answer to Jacques Rancière on Art and Politics”を取り上げる勉強会の2回目です。

ブリオーのテキストはランシエールによる「関係性の美学」批判(「関係性の美学」はアートにおけるモラル・リバイバルに過ぎない)に応答するために書かれたものです。ランシエールの「Emancipated Spectator」の該当箇所を上げながら、ブリオーは、ランシエールの見るアートの政治的意義は、「関係性の美学」で取り上げられているアーティストたちの作品の中で、まさに試みられているのであり、ランシエールの批判は彼らの作品の形式的側面を見誤っているが故に生じている、と反論しています。その上で、彼はそれらの作品の政治的意義を、その「Precarious」な存在条件に見ています。

読書会では、著書「Emancipated Spectator」の元になったランシエール自身による2007年の同名の講演原稿とブリオーによる同書への応答を元に、ランシエールの批判とブリオーの応答を比較しつつ、アートの形式性と政治性の関係について検討します。
「Emancipated Spectator」では、19世紀初頭の教育者であるジョセフ・ジャコトーの教育理論を考察したランシエールの著作『無知な教師』を引き合いに出し、演劇における観客を解放しようとする試みが、むしろ抑圧的に機能してしまう点が指摘されており、ブリオーへの批判もそれに基づいていると考えられます。

第2回となる今回はブリオーからの応答である”Precarious recarious Constructions-Answer to Jacques Rancière on Art and Politics”を中心に読み進めたいと思います。前回の読書会では間に合いませんでしたが、フランス語版の”Le spectateur émancipé”の該当箇所(ブリオーとリクリット・ティラバーニャへの名指しの批判は英語版では、なぜか削除されています)も参照したいと思っています。11月初旬には日本語訳が出版される予定とのことですので、興味のある方はそちらもご参照ください。

読書会では、テキスト中で取り上げられたアーティストのイメージをスライドで紹介しながら、具体的に議論の内容が理解しやすいように進行いたします。なお、読書会は日本語訳をもとに進めますので、特に英語力は必要ではありません。テーマに関心のある方のお気軽な参加をお待ちいたしております。また、2回目ですが、議論は十分フォローできるように冒頭に前回のあらすじを紹介します。

お申し込みはこちらから。

===
日時:2013年11月24日(日)13:30-16:30
講師:辻憲行
場所:千早地域文化創造館
*会場をご確認ください
参加費:1,500円 *当日学生証の提示で500円キャッシュバックいたします。
定 員:10名(要予約)
郵便番号: 171-0044
住  所: 東京都豊島区千早2-35-12
電話番号: 03-3974-1335
アクセス:
地下鉄有楽町線千川駅下車 3番出口 徒歩約7分
国際興業バス「要町3丁目」バス停下車 徒歩約7分


大きな地図で見る

14_360
Photograph by Yuichi Kobayashi

講師=辻憲行(つじ・のりゆき)
1970年生まれ。キュレーター/翻訳。山口大学大学院人文科学研究科美学美術史専攻修了。1998年から2006年まで秋吉台国際芸術村(山口県)にてチーフ・キュレーターとしてレジデンス、展覧会、WS、セミナーなどの企画・運営を行う。2008年から2010年まで東京都写真美術館学芸員。主な企画展(共同企画も含む)は、「アート・イン・ザ・ホーム」(2001)、「チャンネル0」(2004)、「トランスフォーマー」(2005)、第1回/第2回恵比寿映像祭(2009/2010)、藤城嘘個展「キャラクトロニカ」(2013)。芸術係数主宰。

お問い合わせ:
芸術係数
info@gjks.org

             このエントリーをはてなブックマークに追加

10-20-13

芸術係数プレゼンツ:「ア・ワールド・ピクチュア」展クロージングトーク

 
IMG_4492_02
 

芸術係数プレゼンツ:「ア・ワールド・ピクチュア:How do you make a world picture?」展のクロージングトークのお知らせです。

展覧会最終日にギャラリートーク形式で本展キュレーターの辻憲行(芸術係数)が展覧会の背景や各作品について話します。インターネット、アメリカ、3.11、画像、想像力(フィクション)と現代のリアリティ、アーティストの役割などがキーワードになると思います。

当日は参加アーティストも一部参加し、自作や他の作家の作品へのコメントをお願いしたいと思います。*参加するアーティストは決定次第順次公開します

作品を前に飲み物片手のざっくばらんな雰囲気のトークになります、ぜひお気軽にご参加下さい。

===
芸術係数プレゼンツ:「ア・ワールド・ピクチュア」展クロージング・トーク
日 時:2013年11月3日(日)15:00-
入 場:500円(カフェメニューからワンオーダーをお願いします)
出 演:辻憲行(芸術係数)+参加アーティスト
主 催:芸術係数
協 賛:株式会社リコー、HappyPrinters原宿
協 力:EARTH+GALLERY、CASHI、ミキリハッシン
会 場:EARTH+ GALLERY(アースプラスギャラリー)
住 所:〒135-0042 東京都江東区木場3-18-17 1F
アクセス:
東京メトロ東西線 木場駅3番出口から徒歩7分
東京メトロ東西線/都営地下鉄大江戸線 門前仲町駅1番出口から徒歩10分
東京都現代美術館から東西線木場駅方面へ徒歩10分


大きな地図で見る

===
shintsubo018
Photograph by Yuichi Kobayashi

辻憲行(つじ・のりゆき)
1970年生まれ。キュレーター/翻訳。山口大学大学院人文科学研究科美学美術史専攻修了。1998年から2006年まで秋吉台国際芸術村(山口県)にてチーフ・キュレーターとしてレジデンス、展覧会、WS、セミナーなどの企画・運営を行う。2008年から2010年まで東京都写真美術館学芸員。主な企画展(共同企画も含む)は、「アート・イン・ザ・ホーム」(2001)、「チャンネル0」(2004)、「トランスフォーマー」(2005)、第1回/第2回恵比寿映像祭(2009/2010)、芸術係数プレゼンツ藤城嘘個展「キャラクトロニカ」(2013)。芸術係数主宰。

会場:
EARTH+GALLERY
〒135-0042 東京都江東区木場3-18-17 1F
tel/fax 03-5809-9949
info@coexist-tokyo.com
coexist-tokyo.com

             このエントリーをはてなブックマークに追加

10-15-13

芸術係数プレゼンツ:「ア・ワールド・ピクチュア」展ギャラリートーク

 
AWPチラシ表最終
今井新《トラベル・オン・ザ・ディスプレイ》2013
 

芸術係数プレゼンツ:「ア・ワールド・ピクチュア:How do you make a world picture?」展の関連トークイベントのお知らせです。

ギャラリートーク形式で本展キュレーターの辻憲行(芸術係数)が展覧会の背景や各作品について話します。グローバリゼーション、アメリカ、3.11、現代美術、想像力(フィクション)と現実(政治)、アーティストの役割などがキーワードになると思います。

当日は参加アーティストのうち藤城嘘、チバガク、今井新が在廊予定です。自作や他の作家の作品へのコメントなども聞くことが出来ると思います。

作品を前に飲み物片手のざっくばらんな雰囲気のトークになります、ぜひお気軽にご参加下さい。

**出演者に変更がございますので、ご注意下さい!


 

===
芸術係数プレゼンツ:「ア・ワールド・ピクチュア」展ギャラリートーク
日 時:2013年10月19日(土)15:00-
入 場:500円(カフェメニューからワンオーダーをお願いします)
出 演:辻憲行(芸術係数)、藤城嘘、チバガク、今井新
主 催:芸術係数
協 賛:株式会社リコー、HappyPrinters原宿
協 力:EARTH+GALLERY、CASHI、ミキリハッシン
会 場:EARTH+ GALLERY(アースプラスギャラリー)
住 所:〒135-0042 東京都江東区木場3-18-17 1F
アクセス:
東京メトロ東西線 木場駅3番出口から徒歩7分
東京メトロ東西線/都営地下鉄大江戸線 門前仲町駅1番出口から徒歩10分
東京都現代美術館から東西線木場駅方面へ徒歩10分


大きな地図で見る

===
14_360
Photograph by Yuichi Kobayashi

辻憲行(つじ・のりゆき)
1970年生まれ。キュレーター/翻訳。山口大学大学院人文科学研究科美学美術史専攻修了。1998年から2006年まで秋吉台国際芸術村(山口県)にてチーフ・キュレーターとしてレジデンス、展覧会、WS、セミナーなどの企画・運営を行う。2008年から2010年まで東京都写真美術館学芸員。主な企画展(共同企画も含む)は、「アート・イン・ザ・ホーム」(2001)、「チャンネル0」(2004)、「トランスフォーマー」(2005)、第1回/第2回恵比寿映像祭(2009/2010)、芸術係数プレゼンツ藤城嘘個展「キャラクトロニカ」(2013)。芸術係数主宰。

会場:
EARTH+GALLERY
〒135-0042 東京都江東区木場3-18-17 1F
tel/fax 03-5809-9949
info@coexist-tokyo.com
coexist-tokyo.com

             このエントリーをはてなブックマークに追加

 
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この blog は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。