11-24-11

ミシェル・フーコー「規律社会について」part2のテキスト

動画はこちら:ミシェル・フーコー「規律社会について」part2ですが、動画の音声が消えているので、近日中に再度アップします。
*動画の訳をかなり修正しています。

「監獄は、規律訓練システムの一部でしかありません。私が規律訓練システムと言うときには、それらの制度によって組織された社会のことを言っているのではありません。
私が規律訓練システムと呼ぶものは、監獄のような全制的施設よりもはるかに有機的な合理性を持つのです。この点が私とゴフマンとの違いです。
内部組織を伴う現実の諸制度において、私が規律訓練システムと認めるのは、一種の合理性のようなもので、人々の行動様式や振る舞いを統治するための、最も経済的で最も効果的な手段なのです。
規律訓練システムの試みが始まって1世紀以上が過ぎたとき、人々はこのシステムが全く経済的でなく、多くのコストがかかることに気づきました。そして規律訓練システムよりずっと効果的で目立たないやりかたで、人々を統治する方法を手にしたのです。
実例を挙げましょう。18世紀初頭フランスでの大規模工場の運営手法には、一般検査や厳格なルールの適用などの点で、規律的合理性のモデルがはっきりと見て取れます。そして18世紀後半の大規模な炭鉱開発が行われると、政府は兵士を炭鉱夫として送り込み、その後炭鉱夫を兵士として流用しました。軍隊は、優れた規律訓練型組織と考えられており、労働者階級は効率的労働のため軍隊で訓致されることが望まれたのです。
しかし、1820年代あるいは30年代には、人々は、労働者を効率的に組織するには、軍隊モデルよりも、保険や銀行などのモデルの方が、はるかに適していることに気づいたのです。
それ以降、社会統治技術は、社会保険システムに基づいて発展するようになりました。それは規律訓練システムより、はるかに効率的で、かつ受け入れやすいシステムだったのです。」

日本語訳:辻憲行

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