06-20-12

マイク・ケリー「デイ・イズ・ダン」

“Mike Kelley: “Day Is Done” | Art21 “Exclusive”″に日本語字幕を付けました。
翻訳は辻憲行 (twitterID=nori_1999)
芸術係数(http://gjks.org)
元の動画はこちら

〔字幕〕
ポップカルチャーは、目に見えない。
誰もそれを意識しない。
とはいえ、自分はその文化の中で生活してるし、
多くの人々が口にするのはポップ・カルチャーのことだ。

自分はポップ・カルチャーに関心があるが、
それを賞賛しているわけじゃない。
たいていのポップ・カルチャーは嫌いなんだ。
つまり、私たちは支配的な文化の影響を
受けながら制作するほかないから、それを使って遊ぶのさ。
分解して再構成するんだ。

ここに並んでいるのは「デイ・イズ・ダン」の
それぞれの映像作品の元になった写真だ。
この、ヴィジュアルな脚本とも言える写真は、
グループ分けされていて、それぞれが
各映像の絵コンテのようなものなんだ。
写真は全部、ファウンド・イメージだ。

この箱は作品構成の見取り図なんだ。
このフォルダの中身は全身にクリームパイ
を塗りたくった連中の写真だ。
こっちは猿ぐつわをかまされ、縛られた
やつらの写真をまとめてる。
これは兵士の扮装をした男が、
いじめられっ子に扮した男をナイフで脅かしている写真だ。
この辺はいじめの場面の写真だ。
上流階級役が下層階級役を侮辱している。
これは豚囲いの中に入れられた連中の写真。
贈り物のラッピングに見立てた衣装を着ている人々の写真。
「スレイヴ・デイ」、これは私の大好きなやつだ。
強制的に屈辱的な衣装を着せられて、
競売台に乗せられて競りにかけられる。

このプロジェクトは、アメリカ民衆文化の
人類学的調査のようなものだ。
映像化されているのは日常的な行為じゃない。
それらはとても儀式化されているんだ。
その意味で、それらの行為は、作品制作に似ているんだ。
私は、アートは文化を儀式化する実践だと思っている。
それは規範的な振る舞いの外部にある。
例えばここにキャンドル・セレモニーを
撮影した2枚の写真がある。
一枚はカトリックの儀式の様子で、
ぽっちゃりした女の子が写ってる。
もう一枚に写っているのは知的で奔放な印象の女性だ。
彼女はビートニクっぽく見える。
私は、この厳粛な雰囲気の儀式を
ぶち壊す何かを付け加えようと思った。
それでナチスの軍服を着た二人組の男を登場させたんだ。
彼らはラップで彼女が太りすぎであることについて歌う。
ラップではよく取り上げられるモチーフだからね。
取り上げる題材に適した音楽ジャンルを選んだってわけさ。
連中は「デカ尻のデブ女」とかなんとか歌うんだ。分かるだろ?

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